育成就労制度創設の背景
技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的として1993年に創設されましたが、実態として人手不足を補う労働力として活用されてきました。
この制度の問題点を解消し、外国人材の育成と就労の両立を図るため、2027年から育成就労制度が開始されることになりました。
技能実習制度からの主な変更点
育成就労制度では、以下の点が大きく変更されます。
- 制度の目的:「技能移転による国際貢献」から「人材育成と就労の両立」へ
- 転籍要件の緩和:やむを得ない事情がある場合、1年経過後から転籍可能に
- 特定技能への移行促進:育成就労修了後、特定技能1号への移行を原則とする
- 監理団体の許可制:監理団体を許可制とし、要件を厳格化
- 対象分野の見直し:特定技能の対象分野と整合性を図る
転籍要件の緩和
技能実習制度では原則として転籍が認められていませんでしたが、育成就労制度では一定の要件の下で転籍が可能になります。
具体的には、以下のような場合に転籍が認められます。
- 受入れ企業の倒産、経営悪化による雇用継続困難
- ハラスメントや労働条件の相違など、やむを得ない事情
- 育成就労開始から1年経過後(同一分野内での転籍)
- 育成就労開始から2年経過後(分野を問わず転籍可能)
特定技能への移行
育成就労制度では、修了後に特定技能1号への移行を原則としています。
育成就労で一定の技能を習得した外国人が、引き続き日本で就労できるよう、スムーズな移行を支援する仕組みが整備されます。
企業が準備すべきこと
育成就労制度の開始に向けて、企業は以下の準備が必要です。
- 育成就労計画の作成:外国人材の育成目標、指導体制、評価方法などを明確化
- 適切な労働条件の整備:日本人と同等以上の報酬、労働時間の管理など
- 転籍への対応:転籍要件の理解、転籍時の手続きの準備
- 特定技能への移行支援:修了後の雇用継続または他社への紹介
- 監理団体との連携:許可を受けた監理団体との適切な関係構築
制度移行のスケジュール
育成就労制度は2027年から開始される予定です。それまでの間、技能実習制度は継続されますが、段階的に新制度への移行が進められます。
既に技能実習生を受け入れている企業は、新制度への移行準備を早めに開始することをお勧めします。
